近所の家がゴミ屋敷になってしまったら、あなたならどうしますか?世間では非常識な住民の異常行動によるトラブルがニュースで報じられているため、トラブル巻き込まれる恐怖心から苦情を言えないことも多いでしょう。持ち家の場合は簡単に引っ越すわけにもいかないので、平穏な暮らしを奪われたストレスが日々溜まってしまいます。
近所のゴミ屋敷問題は誰にも起こり得る可能性があるため、事前の備えが必要です。この記事では、ゴミ屋敷で困る4つの問題と問題が生じた際の4つの相談先、そして苦情やクレームを言う場合の注意点3つについて解説していきます。万が一、巻き込まれた場合の備えとして参考にしてください。
近所にゴミ屋敷があると困ること
静かで清潔な町に住みたい気持ちは、誰でも同じだと思います。しかし、近所にゴミ屋敷があるとどうでしょうか。生活環境の悪化がストレスになるだけでなく、普段の行動を抑制する必要も生じるため、不自由な生活を強いられてしまいます。実際に近所にゴミ屋敷がある場合、以下のような4つの問題が発生します。
- ゴミによる悪臭
- 害虫や害獣問題
- 火災や家屋倒壊
- 孤独死
ゴミ屋敷の周囲は劣悪な環境になり、招かれざる客が好んで寄り付くため防犯や防災の面にも影響をおよぼします。それでは、それぞれ具体的にどう困るのかを説明していきましょう。
ゴミによる悪臭
生ゴミが腐敗するニオイだけでなく、さまざまなゴミから出る異臭が混ざり合って悪臭になります。カビや細菌が繁殖しやすい梅雨の季節からニオイがひどくなり、腐敗がすすむ夏場には強烈な悪臭を放ってピークに達します。
風に乗って悪臭が流れ込むために窓を開けられなくなり、室内の空気はよどんでしまいます。当然ですが布団や洗濯物を外に干すことも難しくなります。
害虫や害獣問題
ゴミ屋敷に放置された食べ残しや飲み残しに、さまざまな害虫や害獣が集まります。代表的な害虫と言われるゴキブリやハエが隠れる場所も十分で、豊富なエサもあるために爆発的に増加して衛生面の問題を引き起こします。
それ以外にもネズミなどの害獣が住み着きますし、残飯やネズミを餌にするカラスもやって来てゴミを散らかしてしまいます。増えすぎたゴキブリやネズミは、行き場を探して近所の建物に忍び込む可能性があります。
火災や家屋倒壊
ゴミ屋敷では腐敗したゴミや化学物質が自然発火したり、ホコリがたまったコンセントがショートしたりと火災が起こる原因が山ほどあります。それだけでなくネズミが電線をかじってショートさせるため、火災を巻き起こしてしまいます。また大量にたまった可燃物が放火犯のターゲットになり、不審火を引き起こすリスクもあります。
ただし、ゴミ屋敷の危険性は火災だけではありません。ゴミの重量に耐え切れずに建物が倒壊する可能性もあるのです。倒壊するのは古い家だけと思われがちですが、ゴミをため込みすぎると建物の傷みがすすんでしまうため、比較的新しい家でも倒壊する危険性があると思ってください。
孤独死
ゴミ屋敷では害虫や害獣がバイ菌をまき散らしていて、カビやホコリなどがたくさんある不衛生な環境なため、生活している住人は病気になりがちです。食生活にも問題があるため、体の免疫力が落ちて健康を害してしまいます。
特に一人暮らしの場合は近所との付き合いも少ないので、周囲が異変に気付かないために孤独死する可能性が高くなります。また、ゴミが不安定な状態で積み上げられていた場合、地震などの揺れでゴミが崩れてしまい下敷きになるかもしれません。
ゴミ屋敷の苦情は誰に相談?
ゴミ屋敷の住人との交渉は、一筋縄ではいかないものと覚悟してください。対処法を知らないままに直接乗り込むのはトラブルのもとになります。こちら側も理論武装しなくては話がすすみませんので、まずは数々のゴミ屋敷問題に対応してきたプロに相談するべきです。
- ゴミ屋敷の家主の身内や知り合いに依頼する
- 住んでいる地域の自治体
- 警察や消防署に依頼する
- 弁護士に相談する
相談する場合、個人の意見だけでは相手にされないことも多いです。そのため、自分1人の意見だけではなく、近隣住民の総意として伝えるようにしてください。
ゴミ屋敷の家主の身内や知り合いに依頼する
ゴミ屋敷の住人は一風変わった性格をしていますので、いきなり第三者が文句を言っても聞き入れてもらえません。それどころか言われたことに腹を立てるために、よけいに話がこじれてしまいます。
ただし、知人や友人の忠告であれば聞き入れる可能性があります。心当たりがある場合は彼らを通して説得をお願いしてみましょう。説得を依頼する先が親兄弟や親せきであれば、身内の恥をさらす状況を早めに終わらせたいと思うため、ある程度積極的に動いてくれるでしょう。
住んでいる地域の自治体
各自治体には地域の苦情やトラブルの窓口がありますので、まずは電話で相談してみましょう。自治体によってはゴミ屋敷に関する条例が制定されていますので、利用しない手はありません。相談する際は被害状況や要望、現場の画像や近隣住民の署名を事前に報告書にまとめます。そうすることで具体的な相談ができるので、話がスムーズにすすむでしょう。
ただし、積極的に動いてくれるか、それともトラブルを嫌って動かないかについては、自治体によってちがいますので注意してください。
警察や消防署に依頼する
警察に相談した場合、直接の取り締まりはしませんが、住人に注意だけはしてくれます。ただし、警察は民事不介入の原則があるので、実際はなかなか動いてくれません。消防署に相談した場合も、消防法に抵触しないかぎり直接取り締まりは行われません。しかし、住人には自然発火や漏電による火災、放火などの危険性を説明してくれます。
弁護士に相談する
各地方の弁護士会で定期的に無料相談会が行われますので、足を運んで相談してみましょう。その際は、自治体の相談で使った報告書を持参して、近隣住民の総意であることを訴えるようにします。場合によっては訴訟を起こせますが、実際に依頼する場合はそれなりの費用が発生しますのでご注意ください。
苦情やクレームを言うときの注意点
ゴミ屋敷の住人は様々な理由から心を病んでいる可能性があるので、対応は慎重にするべきです。1人だけで行動ですると危険な事態になりかねないので、近隣住民と複数人で対応するようにしましょう。また、苦情やクレームを言う時には以下の3つに注意してください。
- 直接苦情やクレームを言わない
- 感情的にならない
- 勝手に捨てない
この注意をおこたると、逆に問題が悪化してしまうこともあります。ゴミ屋敷問題はすぐに解決する問題ではないので、長期戦を覚悟して取り組んでいきましょう。
ゴミ屋敷に住む人の心理を理解して行動する必要があります。
直接苦情やクレームを言わない
平気で迷惑行動をする人は、苦情やクレームの相手が一般市民だとなかなか言うことを聞いてくれません。仮に論破できたとしても、逆恨みによる報復に発展するかもしれません。そういったトラブルを避けるためにも、行政や警察、消防や弁護士など権威のある人を代理人にして話をすすめるべきです。
感情的にならない
お互いが感情的になってしまうと、水掛け論に発展して話がこじれてしまいます。相手を納得させるには、理論武装と冷静な対応こそが最大の武器になります。理屈が通用しないために腹立たしく感じますが、できるだけ大人の対応を心掛けてください。
感情的になりすぎると暴力に発展する恐れがあり、傷害罪で訴えられると最悪の結果をまねきますので注意が必要です。また、会話の証拠を残すために録音することを忘れないでください。
勝手に捨てない
信じられないかもしれませんがゴミにも所有権があり、持っているのは家主になります。そのため、ゴミだと思って勝手に捨てると捨てた側が法律違反になるかもしれません。屋敷の外までゴミがあふれ出している場合は、自治体の権限で撤去できますが、敷地内であれば残念ながら手も足も出せません。目障りなゴミを捨てたいと思っても、罰せられる可能性があるので強引な行動は控えてください。
大家様、不動産管理会社様へ
借主様が夜逃げをしてしまった、急にいなくなってしまったなど管理業務を行う中でゴミ屋敷と化した部屋のお片付けも必要になることもあるかと思います。
わたしたちは、ゴミ屋敷の片付けもお手伝いさせていただいておりますのでご相談くださいませ。
一部、一般廃棄物とされる物に関しては市区町村の指示にしたがい一般廃棄物処理許可業者に依頼することもございます。
ゴミ屋敷への苦情やクレーム対応まとめ
ゴミ屋敷への苦情やクレームは、決して個人で動かないで住民の総意として動くべきです。まずは自治体や警察、消防、弁護士に相談しますが、不用品回収のプロとして様々なゴミ屋敷を見て片付けてきた「すぐ片付け隊」にもご相談くださいませ。