ゴミ屋敷を警察が放っておく理由|警察に頼らないゴミ屋敷対策

ゴミ屋敷で困っているのに助けてくれない警察に、腹立たしさを感じていないでしょうか。訴え方が悪いのか、そもそも取り締まる気が無いのか、よほどのことがなければ警察はほとんど動いてくれません。ではなぜ警察はゴミ屋敷を取り締まってくれないのでしょうか。

警察もゴミ屋敷に問題意識を持っていますが、法律の壁があって動くに動けないのが実態です。この記事では警察がゴミ屋敷問題で動けない理由と、警察が取り締まれるケース、警察以外に相談する方法を紹介します。

ゴミ屋敷の相談で警察は動くのか?

警察は全てのトラブルを解決してくれると思いがちですが、取り締まりができることは限られています。刑法に違反する出来事であれば、積極的に関与して被害者を守ってくれます。しかし民法と刑法の線引きが難しいグレーな問題では、万が一のトラブルを嫌って動かない場合があります。

警察は市民の平和と安全に欠かせない存在ですが、法律を無視して取り締まることは制限されていますので、なんでも解決できるスーパーマンではないことを理解しなくてはいけません。

警察は民事事件に介入しません

ゴミ屋敷の問題は住民同士のトラブルになりますので、民事事件に該当します。警察は民事不介入という原則があり、刑事事件でなければ対応してくれません。ゴミ屋敷の住人による暴力行為や器物破損、明らかな名誉毀損などがあれば刑事事件に該当するため、被害届を受理してもらえる可能性があります。

仮に刑事事件で起訴されて有罪になったとしても、ゴミ屋敷の問題で罰せられるわけではありませんので、原因の根本的な解決にはならないでしょう。

直接取り締まれる法律がない

ゴミ屋敷の問題を刑事事件として取り締まれる法律は存在しません。たとえばゴミを捨てないで放置しているのは不法投棄ですから、廃棄物処理法が適用されるという解釈もできます。しかし住人本人がゴミではなく資産だと主張した場合、廃棄物処理法は適用できなくなります。

また過剰なもったいない精神でゴミを集めて溜め込む場合でも、集めたものは資産という主張をされてしまうと、不法投棄を目的とした収集運搬に該当しないので、こちらも取り締まりの対象にはなりません。それ以前に家庭ごみは廃棄物処理法の対象外ですから、取り締まれなと思ってください。

警察がゴミ屋敷を取り締まれるケース

ゴミがたまっている状況の解釈を変えて刑法に照らし合わせてみると、警察が刑事事件としてゴミ屋敷を取り締まれるケースがあります。ただしゴミ屋敷の住人の対応次第では、民法が邪魔をして何もできなくなる可能性があります。仮に逮捕して起訴できたとしても、ゴミ屋敷になった原因は排除されないので、根本的な解決はできません。

道路交通法違反

道路交通法第5章第1節第76条で、交通を妨げるようなものは道路に置いてはいけないと定められています。ごみ屋敷からゴミが道路にあふれ出ていた場合、この条文に該当するため道路交通法違反で検挙することは可能です。

ただし放置されているゴミを資産だと主張した場合、道路交通法違反で検挙はできますが、民法に違反するためにゴミの強制撤去はできません。

ゴミが不審物である場合

ゴミ屋敷の敷地内に放置されているゴミが不審物とみなされた場合は、十分な裏付けをした上で家宅捜索が行われます。ただし不審物が発見されなかった場合は、警察の名誉にかかわるだけでなく名誉毀損で訴えられる可能性もありますので、事件性が高いと判断されない限り家宅捜索は行われないでしょう。

警察以外にゴミ屋敷の相談をしてみる

刑事事件以外で警察は積極的に動けないことがわかりましたので、それ以外の解決方法を考えなければいけません。一人で悩んでいてもよい解決策は浮かんでこないので、近所の人たちと話し合っていろいろな方向性を探ってください。

消防に相談する

ゴミ屋敷の敷地内に危険物などが放置されている場合は、火災が起こりやすい建物として立入検査による指導が行われます。道路交通法違反による検挙と違って、火災が起こる原因がなくなるまで指導が続きますので、ゴミ屋敷状態の解消が期待できます。

司法書士に相談する

ゴミ屋敷問題は基本的に民法による規制対象ですので、法律に詳しい司法書士に相談する方法もあります。各地方の司法書士会で無料法律相談を開催していますので、問題点をある程度まとめたうえで相談に出向きましょう。ゴミ屋敷問題に詳しい司法書士もいますので、電話で相談してみるのも良いでしょう。

まとめ

ゴミ屋敷の件で警察が動かないのは、法律による縛りがあるからなのですが、警察も犯罪や防災に影響を与えるゴミ屋敷を問題視しており、決して無視しているわけではありません。むしろ手を出したくても出せない状況だと思います。

国民の安全を守ることが警察の責務ですが、ゴミ問題に関しては積極的に関与できない立場だと理解して、無理な要求は極力避けるようにしましょう。